
初期毒性試験受託サービス
ティー・エヌ・テクノスでは、in vitro 毒性評価で毒性の高い化合物を可能な限り早期に特定し、それ以降に無駄な開発コストや時間が発生しないようにします。化合物の持つ毒性の種類や程度を初期的に把握するためのサポートを行い、後の本格的な安全性試験(非臨床試験)やヒトでの臨床試験における副作用を予測するための基礎情報を提供します。
ハイスループットスクリーニング、創薬シーズにおける各種スクリーニングに対応しており、測定フォーマットは 1536well、384well、96well、バイアルと、各種特性に合わせ幅広く対応可能です。 また毒性評価試験、薬物動態試験、およびアッセイデータの取得に関するサポートも承っています。
主な試験項目
- Cytotoxicity Assay(細胞毒性試験)
- BSEP 阻害試験
- Phospholipidosis(PLD) Assay
Cytotoxicity Assay(細胞毒性試験)
細胞そのものに対する直接的な化合物シーズの毒性(細胞死、増殖阻害)を評価します。測定には ATP 残存量や LDH リリースなど様々な指標を使用。また ADCC アッセイ(Antibody-Dependent Cell-mediated Cytotoxicity Assay:抗体依存性細胞傷害活性アッセイ)に関しても測定実績があります。RI 同位体放出を用いた ADCC アッセイの実施も可能です。
BSEP 阻害試験
BSEP (Bile Salt Export Pump) と呼ばれるトランスポーターの機能を、薬物がどの程度阻害するかを評価する試験です。この試験は、薬剤性肝障害(Drug-Induced Liver Injury, DILI)の中でも、特に胆汁うっ滞型の肝障害のリスクを予測するために非常に重要です。細胞膜小胞(ベシクル)を使用し RI 標識された胆汁酸(例:[3H]-タウロコール酸)を反応させ、化合物が存在しない場合と存在する場合での胆汁酸の取り込み量を比較することで、化合物の BSEP 阻害能を評価します。

Phospholipidosis(PLD) Assay
細胞内において、リン脂質(phospholipids)が異常な蓄積を引き起こす可能性を評価するための試験です。これは、特定の種類の薬剤によって引き起こされる副作用の一つである「薬剤性リン脂質症(Drug-Induced Phospholipidosis, DIPL)」のリスクを早期に検出するために、創薬開発の初期段階(特に非臨床安全性評価)で実施されます。 試験では、リン脂質に対して特異的に結合し蛍光を発する色素を細胞に添加します。薬剤性リン脂質症が誘導されると、リソソーム内にリン脂質が過剰に蓄積し、それに伴い蛍光色素の取り込み量や蛍光強度が増加します。
その他 in vitro 安全性試験
上記のほかに当社では、ミトコンドリア毒性評価やハイコンテントアッセイを用いた細胞毒性評価、活性酸素種(ROS)の過剰産生評価、GSH 消費量測定評価、血漿凝集評価、カルシウムイオン濃度を指標とした神経細胞・心筋細胞毒性評価、Micro-Electrode Array を用いた神経細胞・心筋細胞毒性評価などの実績があります。
一部、測定器を有していないメニューがありますが、お気軽にご相談ください。
薬物動態(ADME)試験
In vitro 薬物動態試験は非常に有用ですが、生体内の複雑な相互作用(多臓器間の連携や血流、神経系、ホルモンなど)を完全に再現することはできません。そのため in vitro で得られた結果は、最終的に in vivo やヒト臨床試験で検証される必要があります。
一方で in vitro 薬物動態試験は、初期段階でのスクリーニングと最適化には不可欠なツールです。当社は CYP 誘導試験(主にヒト肝細胞を使用し、mRNA 発現量や酵素活性を測定)や血漿タンパク結合率試験、Caco-2 細胞透過性試験、BCRP 発現細胞を用いた膜透過性試験などの実績がありますので、お気軽にご相談ください。
